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逃亡者日記R

あらゆることから逃げ続けて二次元に逃避する倒錯者escaperの雑記書きなぐりブログ

2020.02.13 Thu エロゲーレビュー:喫茶ステラと死神の蝶

久々にblog見て、2年近く放置した(=2年エロゲしていない)にちょっと驚いた。
まー…環境が変わって忙しくなった、とかいろいろ言い訳はできるけどさ。なんか思うところはある。
今回はちょっと強引に4連休作って、予定全部排して腰入れてエロゲやってみました。

RIDDLE JOKERが個人的にかなり悪いタイミング、赴任先からの転勤時期に被ったのも痛かった。
やる時期を逸してしまったので。
どこかで時間作ってやろうかなとも思う。

ってことでフルプラ完走はナツイロココロログ以来っぽいです。驚きですね(

0.公式等
http://www.yuzu-soft.com/products/stella/index.html

1.キャラ
(1)秋月栞那
センターヒロイン。CV車の人。
実は死神だった、ってキャラはいないので、唯一の死神兼ゆず恒例のオナガー。

発言等々からエリナと美羽を足して2で割った感がある。俺メタか?

(2)四季ナツメ
オタクキラー枠。CV夏和小。
初期死神関係者ではあるが、さすがに栞那ほどの便利屋度合いはない。

何気にコスプレエッチだらけなのは気のせいでしょうか。

(3)墨染希
幼馴染。CV上原あおい。
幼馴染と巫女を兼務するが、シナリオ的な意味では割と本流からは離れ気味。

(4)火打谷愛衣
後輩。CV音来内麗。どっかで聞いたことあるけど最後までわからなくて調べました(

髪型といい微妙なマ〇ュ感ある。
後輩としてのパワーはかなり高く、個人的にプレイ前とプレイ後での株の上げ方はこの娘が一番。

(5)汐山涼音
お姉さん枠兼ロリ枠。CV木之みき。
サブなので短く、メイン陣と比べて印象が薄くなるのはまあ仕方ないところ。

2.システム
前回から機能強化された点は…って冒頭でも述べた通りリドジョをやってない(正確に言うと、共通まで)ので
なかなか語りにくさはあるけど、やはり手馴れていてシナリオをストレスなく読むための機能はほぼ全部整っているというか、
ここまでお膳立てしてるメーカーも知らないのでそこは安定のゆずソフト。

スクショを外部ツールの起動なしで自前で撮れるのは個人的にいいと思った。
ただボイスふぁぼした後にスクショ撮ると「お気に入りに登録しました」的なシステムの画面が下に出た状態で
スクショ撮られてて微妙にもにょったので、そこは内部ツールの強みを生かして弾けるようにしておいて欲しいところ。

3.音楽・演出
ED曲がヒロインごとに違うのは千恋からの伝統ということで。
他は…まあ特筆点はないです。

4.シナリオ
各シナリオ対等タイプ。全体のテーマはタイトルにもあるように蝶ではあるが、千恋と比較してテーマの関連度は√で差があるイメージ。ボリュームは愛衣はチャプター9まであって、逆に栞那は7まで。正確にテキスト量を測っていないので完全に個人的な感覚にはなるが、愛衣はちょっと多めで神那はちょっと短いと思う。ただし栞那だけチャプター4で早々に分岐する。

(1)各論
・共通√及び全体テーマ
共通√のシナリオの中身は当面の課題であるステラオープンと、クリスマスの軌道乗せまで。

シナリオ全体としては、昂晴の生への執着、未来への目的を持たせる、というのがメインの√が多い。
それが栞那√であれば「自立して家族を養うという目的」でリーマンに、ナツメ√であれば「ナツメと店を支えていく」で
パティシエ志望になる。ただこの辺りは愛衣√あたりではしっかりとした描写はないけど…。

エンディング時点での状況も√でばらつきがある。
かなり先の未来に行く√は栞那(結婚・出産済)、希(就職・新婚旅行済)
ナツメと愛衣√終了時点は、まだ学生。(愛衣√は明確な描写はないけど、ナツメ√ははっきりと「4年」と言っている)

蝶関係についてはそこまで一貫したテーマでもなく、舞台設定レベルもの。√によっても結構扱いが違う。
ナツメ・愛衣√は中心テーマに近い。ナツメ√はナツメの蝶を戻すのがテーマで、愛衣は目に入れた蝶のコントロールがテーマ。
栞那√は死神そのものがテーマのため、扱いあちょっと傍流。シナリオ上の起点や奇跡の理由にはなってるけど。
希√は赤い蝶自体が割とポッと出感あるので何とも。

・栞那
冒頭でも触れた通り死神は栞那以外登場しない。メインテーマは「死神」となる。
あとのサブテーマは主人公と親父のすれ違い的なところ。

√のメインは「異種族恋愛」ということになり、その辺りはよく言えば鉄板構成。
死神とは結ばれない、という表面的な理由ではなく、「今後とも昂晴には笑ってほしい、その時に私との思い出は重荷になる」
というところ、一度消失するあたりはこの手のシナリオのツボをしっかり押さえている。

奇跡で復活させるはもはや誰でも思いつくところなので、どちらかというと消えた後の絶望的な状況はもう少し長めに描いた方が
カタルシスは大きかったように思う。特にあの場でフローチャートを見るといきなり「再会」って出されるので、「おいおい…」ってなる。正直諦めかけてナツメや希あたりに喝を入れられる描写くらいはあってもよかった。
まああんま長いと今のエロゲーマーに受けが悪そうってのはわかるんだけどねえ…。

最後のデートが遊園地、そこで一度消えるあたりは、「まもって守護月天!」のTVアニメ版「突然さよなら涙のデート」からの
「愛は運命を超えて」(最終2話)をすさまじく彷彿とさせる。
何故こんな古いアニメの話をキモいまでに思い出せるかといえば、まあ30台前半~中盤のガンガンオタクなら大体シャオに
落とされるからであり、そうするとこの話にはかなりの思い入れがあるからである(ここら辺早口)。

あとイチャイチャが同棲、シングルベッドに2人っていうのも中々個人的に好み。
ということもあり、あまり理解はされなさそうな点ではあるが上記2点でシナリオとしてはぶっちぎりで好き。

ミカドは「栞那が転生してもし娘になったら、かわいがってやれ」とかなんとか言っているが、希ルートでは転生先が結構ランダム的なこと言われている(「ミジンコに転生してたら…」とかそういう話がある)ので、結構無責任な発言である。

昂晴が見た夢については、初期描写では結構どうとでも解釈できそうで、実は最初栞那のことだと思っていた。
理由として、「蝶になり、転生する際に生への執着を取り戻すために死神をする」という設定がある以上、栞那も何かしらの事情で
蝶になっている可能性があるわけで、その辺りを考えるとそういったところを扱うシナリオも製作段階の案であったのではないかと思う。
結論として、この辺りは主人公とオムライスの関係の伏線回収であったわけだが。

・ナツメ
主人公と同じタイミングで「死んだ」ことが明かされることもあり、テーマとしては「かつての昂晴」すなわち「生への執着がない者」かなと思う。ナツメの生への執着が中心。
その辺りが見えてくると、シナリオの先読みはかなりしやすい。

テーマは一貫していて、ナツメの心の引っ掛かりをすべて解消する話なので、特段の特筆点はない。
ナツメから零れた蝶を最終的にナツメに戻すのが目的。

・希
「神社の赤い蝶」がテーマだが、他の√と違ってこのテーマ自体が傍流感あるので何とも言えない。
逆に話としては大して重くないので、純粋にCV上原あおいの幼馴染とイチャつく、という観点では問題ない。

幼馴染をテーマにすると大体ぶつかる恋心の自覚も、結構駆け足気味で早々にイチャコラしだすので、
「細けえことはいいんだよ!」みたいな人にはおススメ。

全体的に神がろくなことをしていない印象もあるが、世界の調和等、神としてのやるべきとこをやった結果、神がろくな事をしていないように見える話はよくあるので、まあそんなもんなんだろう。
「朝武」「巫女姫」など、千恋との関係性を強く意識させる言葉が登場。

・愛衣
「虫籠の瞳」がテーマ。直接蝶関係を扱うという意味では栞那に次ぐ重要格だが、先述した通りそもそもこの「蝶」というテーマも
結局舞台設定レベルのもので、千恋のように伏線回収を各ルートで行うタイプのものでもないので、だからどうした感はあるが。

水泳部の話はチラ見せ程度で共通にも出るため、多分この辺りを扱うんだろうなとは予想はつく。
特別な力を持つものに対しての迫害もこのシナリオのテーマであり、何気に水泳部に復帰はしていない。

√内で結構他のヒロインとの絡みは多め。チャプター数が多いこともあり、話としては長めと思われる。
イチャイチャ描写はなかなかかわいいと思いつつ、昂晴が若干キモいため、その辺りは注意。

・涼音
サブヒロインで話は短め。ただし、メインシナリオの伏線回収(なぜ涼音に蝶が集まっていたのか)等は行うので、
とりあえず用意したセックス用√、ってものでもない。
エンディングも涼音が独立したした時のために経理関係を目指す、というシナリオ全体テーマにも沿っていると思うので、
作りとしてはエッセンスを凝縮したものになっており、バランスは取れている√。

5.エロシーン
何気に回想枠のばらつきはすごい。栞那と愛衣は6、ナツメは5、希と涼音は4。
サブヒロインと枠数が同じのメインヒロインってどうなんだとも思うが、一連の流れで2枠使っているヒロインもいるので
まあそれはそれで。

栞那:オナニー、初夜、彼シャツフェラ、ステラ制服、私服→風呂パイズリ、死神服授乳手コキ。
ナツメ:初夜(黒下着)、私服、メイド服、拘束目隠しステラ制服、チャイナ。
希:初夜(巫女)、ステラ制服、学園制服、風呂
愛衣:水着フェラ、初夜、学園制服、私服、水着、ステラ制服
涼音:フェラ、初夜、私服、ステラ制服

6.総合評価
悪い言い方ではなく、いつものゆずソフト。ゆずの期待するものはストレートに大体入ってる。
ユーザーがイラっとするものは極力排している、っていうのがシナリオやっててもよくわかるので、
いつも通り何も考えずに萌え萌えできる。
逆に言えば、結構それがはっきりわかる感じにはなっているので、ご都合主義感は高い。

以上。久々のエロゲでした。
何気に感想も1週間かかった。社会人はつれえ。

2018.04.15 Sun エロゲーレビュー:猫忍えくすはーと2

0.公式等
・公式
https://whirlpool.co.jp/nekonin-2/

・前回の
http://escaper0702.blog.2nt.com/blog-entry-125.html

1.キャラ
(1)猫飼律(CV:花澤さくら)
新ヒロインなので公式の紹介順はこっちが上、なんだけど正直風魔2人の方が出番が多い、というか下手するとマヤより出番がない。
めっちゃ印象が薄い…。

(2)マヤ(CV:歩サラ)
確か名字があった気がするけど公式に載ってねえ…。

(3)風魔ゆら(CV:小鳥居夕花)
とりあえず声優がめっちゃ強い。

(4)風魔たま(CV:あじ秋刀魚)
お兄ちゃん呼び枠。妹ではない。

2.システム
特筆点はない。

3.音楽・演出
1と同じ。

4.シナリオ
特筆点はないけど、1はオチがおいおいって感じだったのに比べ、完全に無難な感じに落とし込んだのはいいと思う。
結構伏線撒いてるので一応3以降も作る気なんだと判断。

1の時にも述べたが、ロープラとはいえウソシリーズ、セイイキシリーズ、9 -nine-と比べるとボリューム不足は否めない。

5.エロシーン
結局たまとゆらもエッチシーン枠持っているので、律とマヤは完全に割を食ってる。
っていうかこれ3以降も出す気なら何とかしないとどんどん1キャラあたりのシーン少なくなるぞ…。

あと複数人プレイが多いので(3Pが風魔組と里見組で2種、加えて5P)、その辺に価値を求められないとさらに薄く感じる。

6.総合評価
抱き枕の販促グッズの枠を出ない…
ただ絵師オリジナルは微妙、って人はいるので、そういう人たちに訴求力をつけるなら簡単でも声付きエッチシーン付のゲームを付ける、っていうアプローチは悪くない。
こう考えるなら抱き枕がメインで、キャラの声付き設定資料集ですよって考えるとまあこんなもんかという気はする。


いじょ

2018.02.04 Sun エロゲーレビュー:フユウソ -Snow World End-

今年度全然エロゲやってない…
というか最近の多数派オタクにありがちだけどソシャゲにハマってた。

0. 関連ページ
(1)公式
http://www.campus.gr.jp/product/fuyuuso/

(2)このblog
ハルウソレビュー:http://escaper0702.blog.2nt.com/blog-entry-121.html
ナツウソレビュー:http://escaper0702.blog.2nt.com/blog-entry-124.html
アキウソレビュー:http://escaper0702.blog.2nt.com/blog-entry-128.html

1.キャラ
(1)帝堂雪華(CV:榊原ゆい)
この作品での対象ヒロイン。主人公と同じレッドラインホルダー。
シナリオに起因するものは後述するが、個人的にこういう「あなた以外何もいらない」系ヒロインにめちゃくちゃ弱い。
恋仲に至るロジックもしっかりしているのも好印象。

(2)姫野桜月(CV:木屋場里絵)
すっかり諦めの悪いキャラが板についたハルウソでのヒロイン。
背景事情に雪華との共通点が多いからか、シナリオ後半では親和性を見せる。

(3)和泉葵(CV:夏野こおり)
ナツウソでのヒロイン。ナツウソ辺りから伏線回収があるため、若干の描写あり。

(4)エリス・F・カートレット(CV:有栖川みや美)
アキウソでの伏線回収をしつつ、シナリオの起点に利用される。

(5)雫・サージェント(CV:くすはらゆい)
今回はエリスの従者としての顔が強い。

2.システム
大きな変更点はなし。

3.音楽・演出
登場人物がウソを言っている場合、テキストのフォントが変わる演出は今作でも当然登場。
雪華もレッドラインホルダーのため、結構頻繁に赤字が登場する。

4.シナリオ
(1)「ウソシリーズ」の一部としての「フユウソ」
単品でも楽しめる、というコンセプトはそのままに、伏線の回収が見られる。シリーズ共通の「なぜ雪華が主人公に興味をもっているか、生徒会に誘う理由とは」、ナツウソの「何故葵の恋仲を雪華が応援したか」、アキウソでの「雪華がエリスを助けたのは何故か」などの伏線がすべて雪華の目的に集約している。

(2)キャラの心理描写
シナリオ後半で雪華が人を信じるため、という目的で猫の手部と交流するが、その際に各振られヒロインの心理描写が描かれる。特にシリーズの締めということもあり、ウソという観点から集約していく点も見逃せない。

5.エロシーン
11シーン。フェラ足コキパイズリあたりは大体完備。
あまりコスプレっぽいのはないが、シチュに応じたものは大体セックスすると思って大丈夫な感じ。

6.総合評価
歴代シリーズ同様、低価格帯エロゲとしてみるなら完成度が価格以上の完成度はある。
ただシリーズフィナーレということもあり、歴代シリーズをやっておくことをお勧めしたい。シナリオの項でも述べたが伏線回収が集約されているため、やっておかないと疑問符ができるのではないかと思う。

一応フルウソは出るが、ゲームとしてのウソシリーズはこれで完結となる。
個人的には価格に合わせたエロゲのエッセンスをきれいに抽出した良作品群だと思っているので、これで終わってしまうのか、というちょっと思ってしまう。

今後のエロゲが生き残る道は、という問いに対する1つの回答としてのロープライスゲーム、その代表作に推しても問題ないと個人的には考えている。

2017.05.15 Mon エロゲーレビュー:9-nine-ここのつここのかここのいろ

年度末年度初のバタバタも収まったかな、ってとこ。
昨年度と違いそこまで移動しなさそうだし、エロゲに腰入れていきたいところ。

0.関連ページ
公式
http://palette.clearrave.co.jp/product/kokoiro/

1.キャラ
(1)九條都(CV:澤田なつ)
この作品のメインヒロイン。分割作品なので、このキャラ以外の攻略はできない。
つばす絵に澤田なつ乗っけりゃそりゃまあ強いよな…

(2)新海天(CV:沢澤砂羽)
妹キャラ。CV強いから攻略したかった感。

(3)香坂春風(CV:渚しろな)
先輩キャラ。正直この作品だけだと謎だけで終わる。

(4)結城希亜(CV:夏和小)
他校の生徒。正直都以外語ることねえよ…

2.システム
特筆点はなし。
さくさくから引き続き立ち絵鑑賞は実装。

3.音楽・演出
特筆点はなし。

4.シナリオ
先に伝えておこう。筆者はましフォニ、さくさくは大変好きなので、どっちかというとぱれっとに好意的なプレイヤーである。それを念頭に、下記を読んでほしい。

(1)9 -nine-シリーズについて
まず、公式ページに載っている「単体で楽しめる作品」という表現はちょっと誇大広告感はある。
シナリオを完全におまけとして考え、都とのえっちシーン集、として考えているならまあ認めなくもないが、シナリオとしては伏線ばらまきまくりで最後に「続く」と来ているので正直あまり擁護はできない。
とはいえ「恐らくこういう意図で単体で楽しめる作品」って言ったんだろうな、というものは読み取れはしたので、下記(2)、(3)で述べる。

(2)この作品:「ここのつここのかここのいろ」について
一応「都と結ばれるプロセス」としては必要最小限度のものは揃っている。都が翔の好意に気付くのも、能力のくだりから無理のないものに仕上がっているし、身体を重ねるまでが早いのも、死を予言されいつ死ぬかわからないから、という理由付けはされている。恋愛ものとして、そこまで無茶なシナリオ展開はしていない。低価格ゲーに必要なシナリオの圧縮を「アーティファクト」というエッセンスで行うことには成功していると言えるだろう。

(3)推測:今後の作品展開について
確定バッド√を仕込んだのもシナリオの一部として「都の死」を取り入れることで、上記のシナリオ展開を行いやすくすることの他に、この作品群全体が「枝」という世界観で構成されていることを示している。
今後出る(であろう)天、春風、希亜の√は恐らくだが、「枝」として出すものではないかと推測される。つまり世界線は違うものとして扱われ、連続したシナリオ構成をとらないのではないと考えられる。
我々プレイヤー側はアーティファクトが絡むこの世界観の謎を、それぞれの枝シナリオを通すことで理解するため、『シリーズをとおしてプレイしていただくことで、より深く「9 -nine-」を楽しんでいただくことができます』というホームページの表現にしたのではないかと私は推測している。

しかしそう考えると妙なことが、都シナリオの最後で「to be continued」としたことである。
展開として予測されるのが、3本の「枝」シナリオを出した後、それを統括するグランドエンディング的なものを用意するつもりがあるのではないかと思っている。

(4)何がまずかったのか
さて、ここまで述べた上で何故この作品がネット上でぶっ叩かれるのかを考えてみる。

一言でいうならば、「ヒロインとの恋愛模様」と「作品背景:アーティファクト絡み」との配分ミスが原因と考えている。後者がやたら重いせいで、伏線のブン投げ感が目立つ。

同じ低価格ゲーシリーズものの「ウソシリーズ」はよく比較に上がるところであるが、ここでも比較をしたい。
「ウソシリーズ」の場合、魔導具やエリス、雪華の背景事情というシリーズを通した伏線も出はするが、それぞれ単独のシナリオを阻害するものではない。ヒロインとの恋愛模様を軸に描かれている。
ところが「9-nine-シリーズ」はそうではない。アーティファクト絡みの話が重々しく横たわっているせいで、恋愛模様にプレイヤーが集中するようにシナリオが構成されていないのである。
先にも述べたように、アーティファクトのエッセンス自体は低価格ゲーに求められているシナリオの圧縮に寄与はしているが、後述するようにエロシーンが少ない(少なくともウソシリーズより圧倒的に少ない)ため、単純に縮められて終わっているのである。
ここが一般のプレイヤーに受けが悪い理由ではないだろうか。

このシリーズが不幸なところは、この形式の先駆者であるウソシリーズのクオリティが高い点にもある。「抱き枕付低価格分割ゲーム」のラインがウソシリーズ基準になっているのである。もしこっちから出ていれば、ここまでぶっ叩かれていない可能性はあった。

5.エロシーン
先述した通り、少ない。回想枠3つで、初夜、フェラ→対面座位、喫茶店衣装→風呂場のみだとうーん感ある。一応「ウソシリーズ」と違い絵が動くので多少興奮はするが…。
最初着ていたゲームのコスプレ衣装えっちくらいはあってもよかった。

6.総合評価
結局のところ、つばす絵にどこまで価値を求めるかによって変わってくるゲーム。
ただ、つばす絵は好きでもウソシリーズと比較するともにょる部分もあるので、一般受けはしなさそうではある。

個人的に言うならば、つばす絵×CV澤田なつだったので、この作品自体は一応値段相応かそれ以上の価値は見いだせている。ここに価値を見出せるのであれば、手を出してもいいのではないだろうか。

2017.04.17 Mon エロゲーレビュー:アキウソ -The only neat thing to do-

やたらエロゲやっててワロタ
まあ年度末年度初めだから田舎に封印されているだけなんですけどね…

0.関連ページ
(1)公式
http://www.campus.gr.jp/product/akiuso/index.html

(2)このブログ
ハルウソレビュー:http://escaper0702.blog.2nt.com/blog-entry-121.html
ナツウソレビュー:http://escaper0702.blog.2nt.com/blog-entry-124.html

1.キャラ
(1)エリス・F・カートレット(CV:有栖川みや美)
この作品での対象ヒロイン。
今まで謎だった背景事情も明らかになった(吸血鬼)

発声回数が当然多いため、なんか鼻が詰まったようなしゃべり方がやたら耳に障る問題が…
有栖川さんこんな演技だったっけ…。

(2)雫・サージェント(CV:くすはらゆい)
初顔のキーパーソン。
あざとさの化身でプレイヤーを全力でぶん殴ってくる。

正直、私はこの娘を攻略したかった(血涙)

(3)姫野桜月(CV:木屋場里絵)
ハルウソでのヒロイン。やっぱり車の人が暴力的に強い。
そして振られたあとの描写もまた魅力的で、ハルウソ、ナツウソのヒロイン陣をないがしろにしないシナリオ構成は好感を持てる。

(4)和泉葵(CV:夏野こおり)
ナツウソでのヒロイン。桜月ほどではないにしろ、振られ描写は描かれる。

(5)帝堂雪華(CV:榊原ゆい)
変声機の正体も恐らく会長と思われ、様々なところで登場、フユウソでの引っ張りもこの作品の肝と言える。

2.システム
大きな変更点はなし。

3.音楽・演出
登場人物がウソを言っている場合、テキストのフォントが変わる演出は今作でも当然登場。
アンチレッドラインとそのトリックの伏線は非常に上手い。

4.シナリオ
(1)「ウソシリーズ」の一部としての「アキウソ」
ハルウソ・ナツウソがどちらかというとキャラに焦点を当てているのに対し、こちらは「ウソシリーズ」全体の背景設定である魔法や吸血鬼などの設定に多く言及が見られる。
ハル→ナツやナツ→アキの伏線はそうそう多くはなかったが、アキ→フユについては多めの伏線を撒いているあたり、アキウソという作品から「ウソシリーズ」のシナリオの一部としての話が展開されているように思う。

(2)桜月と葵の描写と、そこから見える「分割作品のシナリオの在り方」
キャラの項でも触れたが、桜月、葵の心情描写にもそこそこの力を入れている。これは「桜月が一番だから、別にアキウソまではいいかな…」ってユーザー層に対し、ある一定の訴求効果を求めているのではないかと考えている。

モデル化(※)してみよう。
キャラA、B、C、Dのシナリオをフルプラ1本と、今回のように分割4本で売る場合を考える。
あるユーザーXが、キャラAに対して強いプライオリティを持っている場合、フルプラ1本で売れば8000円の売り上げを出せるが、分割の場合2000円しか出せない。
さて、XにBCDの分の購買意欲をどう出せばいいか、と考えると、1つとしてはAの登場回数をB、C、Dのシナリオで多くする方法が考えられるわけである。

ここから導き出される1つの結論としては、「分割作品のシナリオは、単にフルプラのシナリオを分ければいいというものではない」ということである。当たり前のようで、現在エロゲ業界が手を出しているロープライス作品が今後守っていくのか不安な面がある。

単に分割して、AシナリオではAしか出ません、BシナリオだとBしか出ませんでは、単発の売り上げしか見込めない。それぞれのシナリオにおいて、他の各キャラにそこそこの見せ場を用意する必要が、分割作品のシナリオには求められるわけである。
これはキャラをデザインした時点で、どのキャラにどういう役割を持たせて、ファーストインプレッションでは誰がウケそうか、というのをある程度計算したうえで販売順を考えなければならないため、フルプラより難しいと私は考えている。

ウソシリーズの完成度が高いと考えている理由の一つに、この辺りがしっかりできていることが挙げられる。

(※)このモデル分析はもうちょいちゃんとやりたかったんだけど、めんどくさくなったから一例のみにした。

5.エロシーン
1キャラに10もシーンあるのはやはり力が入ってると言わざるを得ないだろう。
詳細は割愛。

6.総合評価
ハルウソ、ナツウソと同様、低価格帯エロゲとしてみるなら完成度が価格以上の完成度はある。あとはヒロインとして好みかどうかの勝負になってくる。そういう意味では、ハルウソの方が好みではあるが、それは主観的評価に過ぎない。

ただし、ハルウソ、ナツウソと違うのは、この作品は単発でやるゲームとして考えると疑問符が付く点である。シリーズ3作目ということもあり、ハルウソ、ナツウソの知識はベースとなっているし、フユウソへのつなぎも見られるため、この作品については単独の評価が難しいと個人的には考えている。

ハルウソ、ナツウソをプレイした人が、ウソシリーズの世界観により入っていくための作品という側面が強いのではないだろうか。そう考えると、エリスが一番好きな人でも、最低限、ハルかナツのどちらかは触れてみるといいだろう。