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2024.07.30 Tue エロゲーレビュー:セレクトオブリージュ

フルプラ完走は久々ですね。
というか発売後数日でフルプラ攻略したのも久々だったり…。

0 公式等
制作はkuwa gamesだからなのか、何気にhttps://madosoft.net/productsの中じゃないのね。

1 キャラ
筆者プレイ順はイヴ→奏命→くくる→トウリ

正直シナリオの出来が悪いので、√のロックはないものの、変な意味でのプレイ推奨順はある。具体的にはイヴはトウリの後によるのを個人的に強く推奨。くくるは奏命の後の方が唐突感はない。
CV陣は今勢いのある方から旧来の実力者までバランスよく配置したという感じ。

(1)一色奏命
学生会長にして一色家当主。CV:奏雨。
クール孤高系→デレのテンプレみたいな感じ。大体想像通りのキャラだと思う。

(2)蓼科イヴ
運動部総括にして努力の天才。CV:秋野花。
メイン4キャラでは作中の登場回数がかなり多い。序盤は裏ありキャラとして描かれるので、発売前の第一印象→作品序盤→プレイ後で印象がコロコロ変わるかも。

(3)夜刀くくる
文化部総括の大食い金持ち。CV:相模恋。
飯に対してチョロイン枠。人の機微に対する感情が不足しているのは作中で理由の言及あり。

(4)泉トウリ
偽妹。CV:七種結花。
妹メイドと公式サイトで紹介はあるが、カフェの店員をしているだけ…。作中で「メイドとして潜入する予定だったが、戸籍の関係で難しかった」と言及があった。キャラ付けの方向性が変わったのか…?

2 システム
特筆点はない。この手のゲームとしては標準的な構成。

3 音楽・演出
EDテーマはキャラで違うのはハミクリを踏襲。
他、演出面での特筆点はない。

4 シナリオ
(0)全体として
先述したが、出来は悪い。
各√の仔細の感想は後述するので、全体的な構成のダメ出しから。

このゲームは各ヒロインの個別になると、サブにシナリオ展開を補助するヒロインが付く構成となっている。奏命であれば空と花、イヴであれば汐莉、くくるであれば七である。ところがトウリ√そのサブに付くヒロインを、あろうことかメインヒロインであるイヴにしてある。そのせいで、イヴは共通で告白する構成になってしまっており、下記のシナリオ上の弊害が起こっている。

・奏命、くくる:シナリオ冒頭でイヴを振る必要が出る。
・イヴ:シナリオ構成の歪さからくる違和感のある引き伸ばしが行われており、凪の優柔不断さが鼻につく。
・トウリ:メインヒロインの一人が完全に当て馬になる構成になっている。

特にトウリ√は問題で、振る前提でシナリオ中盤までイヴが出張ることになり、イヴが好きな人からしたらトウリに対していい感情を抱かないことになるし、トウリが好きな人からしても微妙な感情になる。

キャラゲーを作ろうとしたのならこの構成はダメだし、シナリオを読ませたいにしても大した内容ではないのが正直なところ。柚子奈ひよ氏の原画と実力派のCV陣を付けたのであれば、もうちょい無難に作ればよかったのに…としか思わない。別に脳死イチャイチャでよかった。

シナリオボリュームはそこまで多くない。共通の方が比重は重めで、だいたい3:2〜6:5くらいの比重。スタートから1つ目のヒロイン攻略まで、実際テキストを読む時間は10時間くらい。個人的にはボリュームはこれくらいの方が好み。あとは中身の問題だと思う。

(1)奏命
本人のキャラとは裏腹に、ルートの癖は最も少ない。デザイナーチャイルドという凪の本当の出自がわかり、それが奏命の重荷になる葛藤、それを蹴散らす奏命の強さ。シナリオ冒頭に登場した寮の管理人の正体、バアさんの正体も解明も含め、このゲームをシナリオとして読むのであれば一番おもしろい√になる。

(2)イヴ
問題√その1。イヴそのものに係る√。汐莉の正体、イヴの敗北と立ち直りを描く。
先述したが、イヴ自身が共通最後で告白することもあり、シナリオボリュームの都合からかイヴへの態度をダラダラ引っ張ることになる。そのせいで無駄に汐莉に付け込まれたようにしか見えないし、プレイヤー視点からは凪に対して「何やってんだこいつ」としか思えなくなる。個別√の進行は共通(龍司)と展開が似ており、くっついた後も汐莉の影がチラついてイチャイチャに力が入らないので、これも問題。ある意味ではシナリオ展開は読みやすいが。

ただ、飴川紫乃氏の敵役演技はピカ一。タマユラミライの蒔奈でもみせた、若干の嫌悪感と得体の知れなさをあのねっとりとした声だけで抱かせるのは本当にすごいと思う。サブヒロインの声優はあまりチェックしてなかったが、プレイして敵として立ったときの汐莉の声を聞いた瞬間に蒔奈がフラバしてきて、エンドロール見て「ですよねー」ってなった。

(3)くくる
同じくシナリオに癖はない。「AIと恋愛感情」というテーマも創作物としては定番のテーマなので、シナリオ展開の先は読みやすい。ファイブがくくるをベースにしたオートマタで、くくるがその送信機となるべく作成されたデザイナーズチャイルドということが明かされるが、奏命√の知識が前提としてないと若干唐突感がある。
エンディングでくくると子作りを励むことになるが、この2人でちゃんと赤ちゃんできるのか…?

(4)トウリ
問題√その2。とはいえ、問題点自体はこのゲームのシナリオ構成そのものに起因するものが多いので、個別√そのものも問題があったイヴよりはマシ。
当て馬をシナリオ中盤までやるので、共通に引き続きイヴの出番は多い。バアさんにシゴカれるので、最終的にイヴがメチャクチャ強くなりそうだし、その強さ自体は龍司救出で使うので、一応意味のある展開といえば展開だが…。
龍司や帝雄の出番も多く、当該攻略ヒロインが√に占める印象は他の3人より薄め。トウリらしいといえばそうだが…。

5 エロシーン
√攻略後のおまけを含め5枠。おまけえっちは後日談を含む構成となっており、くくる以外は通常CGもおまけえっちを見ないと埋まらないので注意。
奏命:部屋着初夜、私服、レースクィーン、制服、ウエディングドレス
イヴ:私服、制服、風俗プレイ、部屋着、チア
くくる:自慰、私服69→初夜、温泉、制服、私服。コスプレがない…
トウリ:授乳手コキ(これのみ共通√)、制服初夜→部屋着おはフェラ、メイド服、水着、部屋着

6 総合評価
事前の期待に比して、特にシナリオ面の出来がいま一歩。制作はkuwa gamesだが、まどそふとを冠している以上、まどにも責任はないと言えないだろう。特にキャラの良さを殺しているシナリオ構成はまずい。
細かいキャラ描写はよくできている方なので、キャラの可愛さはそれなりに楽しめる。そのキャラを乗っけている土台たるシナリオが…という印象。

繰り返しになるが、柚子奈ひよ氏の原画と実力派のCV陣を付けたのであれば、もうちょい無難に作れば大きな問題はなかったはず。「まどそふと」というブランドとしても次回のユーザーの購入行動に影響が出かねないレベルである認識はした方がいい。


以上

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