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2022.05.06 Fri エロゲーレビュー:アンレス・テルミナリア

新年度一発目。
やたら時間かかった…

0 公式等

1 キャラ
筆者プレイ順は恋→ルチア→シャロン→りな→True
プレイ順のロックはなし。全キャラクリアでTrueの開放。
Trueが独立ではなく恋√の続きみたいな形なので、攻略順は恋を最後にするのが無難。

(1)御厨恋
センターヒロイン。CV:北大路ゆき
True√まで含めて恋の√と言えるので、ワントップのメインヒロイン。
このゲームの評価自体は彼女が気に入るかどうかも割と左右されると思う。

(2)りな
猫耳少女。CV:澤田なつ。
本当の名前は√の最後の方で明らかになりますが、一応伏せで。
ヒロイン陣は全体的にギフトがチート級ですが、りなは祈に並ぶ別格。

(3)橘シャロン
小悪魔系後輩。CV:東シヅ。
乳の暴力。個人的にはヒロインで一番好み。

(4)ルチア=ヴァリニャーノ
ちびっこ先輩。CV:小波すず。
ギフトは神の権限の行使というチート級であるものの、神の干渉範囲外の能力に比べると一歩劣るか。
Trueでの見せ場はかなり多い。

2 システム
お気に入りボイスや立ち絵鑑賞などは搭載。

3 音楽・演出
Trueでボーカルが変わるくらいか。
特筆するものはない。

4 シナリオ:全体感
全体的に冗長感があるのが正直なところ。
ゲームのテーマとしては重いところを趣向しているのに、ヒロインとの交流描写をシナリオに絡ませるのではなく単独で(シナリオの根幹に関係ない形で)描いていることが多いため、話として長い印象を与えてしまっている。この辺りはシナリオの構成上工夫が必要と思われる。

通常√とTrueとのボリュームバランスもやや悪く、TrueがTrueとして存在する意味があまりない。順番も特に制作側で指定されていない(=√のロックがない)ので、恋とTrueの間に不必要な間があくことになる。これなら、恋√を最後で固定した上で、Trueまで含めて恋√にして一気に描写した方がいいと思う。

5 シナリオ:個別
(1)恋
ヒロイン陣で唯一、単独で√完結がしないヒロイン。
Piecesで言う結愛√のように、一応の完結もしない。To be Continuedのような形で√が終わる(そういった表記が作中にあるわけではないが)

ギフトの都合もあり、彼女のみそもそもギフトそのものを消し去らないと祈と一緒にいる未来というものが描けないので仕方ない部分もあるが(もしくは、作中でもあるように誰もいないところに2人きりで暮らす、などの解決策が必要)。

(2)りな
シナリオ自体はりなを周りから見えるようにする、というところがメイン。その過程でりなの正体、りなの記憶などの核心に迫っていく。りなの能力はTrueでも使う重要な伏線になる。結果、りなが無事に帰ってきて、周りから見えるようになってエンド。帰ってくる過程はよくわからない…。

祈が昔飼っていた猫の生まれ変わり、のミスリードがあり、半分は正解、半分は間違いといったところか。
(まろがオスであることは作中で明示されているので100%の生まれ変わりではないことは推察できる)

後半のりなの能力の絡みは説明がかなり入り組んでいるというか、ちゃんと読んでないとよくわからないことになる。実際筆者もあまりよくわかっていない。
りな自身がああいった身の上になったのはTrueでも若干説明はある(「覚え直しの事故で誰からも認識されない存在に追いやった」とある)。

(3)シャロン
シャロンの使命がシナリオの核。祈のギフトなどの伏線にも迫る。祈が多重人格なのはこの√で明確に描写されることになる(とはいえ、ギフトについては明らかにされない)
最後はシャロンが祈のギフトを刈り取って終わるため、その天命をも引き継ぎ、シャロンの記憶が1日しかもたないことになる(日記を読んでいる描写がある)。
最後の描写を見ると審判者はシャロンに移ったと推察されるが、その場合の管理はどうなるのかという疑問は生まれる。一歩でシャロンは自身のギフトの発動を選べる節があるので、そのあたりは上手くやっているのだろうか。

(4)ルチア
ルチアをヴァリニャーノ神言教から解放することがメインのストーリー。
実は作品全体の伏線は多くなく、ルチアの能力行使に代償が必要であることと、ルチアが神言を取り戻した場合に神との対話が可能という点がTrueにつながる。一方で、自身の√では父親に能力譲渡をしているため使えない。

(5)True
恋√の延長。
恋のギフトの正体を含め、作品全体の伏線の回収を行う√…ではあるものの、True自体の分量が実は多くない。

いろいろ描写はあるものの、最終的に審判者で「世界の理」を消し去ることで、神やギフトという概念自体を消し去り、世界の改変を行う。結果、杜ノ宮学園自体もなくなり(病院の描写で使いまわされているが…)、改めて恋と再会してエンディングに流れる。
最終的にその世界を消し去るのはPiecesにも通じるところがある。

6 エロシーン
メインヒロインは各5枠。4枠は作中、1シーンはおまけで回収。

恋:制服、バイト制服、温泉、私服、チャイナ
りな:制服69、制服、全裸、私服、白スク
シャロン:制服、水着、ナース、私服、下着
ルチア:制服、私服、メイド、水着、宗教衣装

7 総合評価
このゲーム単独の評価ではなくフルプラの前作との比較になるが、厳しめの言い方をすると、Piecesみたいなものを作ろうとして空回りした感じがする。
Piecesはお話を描くことに重点を置いていた印象があり、作中のヒロインのイチャイチャはあっさりしていた。それを課題として、払拭しようとした結果、シナリオ全体のボリュームが冗長になったように筆者には感じた。

正直、これなら発情スプリンクル以前の感じで、まみず氏の絵を生かした脳死萌え萌えに振り切った方がいい気がするし、若干シリアス目に組むにしてもティアスティラくらいでいいのでは…と思ってしまう。

既存の路線を低価格ゲーの路線で進めて、フルプラは重めのゲームを作るというメーカー方針なのであろうか。方針としてはいいと思うが、それなら一層の精進を期待したい。

以上

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