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逃亡者日記R

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2022.06.06 Mon エロゲーレビュー:AMBITIOUS MISSION

珍しく発売後早めに終わらせられた。

このblogってエロゲのネタバレ感想を野放図に載せてるから、結構見難いんじゃねってふと思った。
スマホ設定だとタイトルで並ぶからわかりやすいけど。

0 公式等

1 キャラ
筆者プレイ順は虹夢→弥栄→かぐや→あてな(True)
プレイ順のロックはなし。3キャラクリアであてなの開放。
アレクレピオスへの理解がTrueの前提となるので、主要3キャラで唯一アレクレピオスに係るかぐやはTrue直前にやるのがベター。虹夢と弥栄はどっちが先でもさしたる影響はない。

(1)有瀬かぐや
センターヒロイン。CV:夏和小
めんどくさめなお嬢様。夏和小氏のキャラってお嬢様系多いですよね。
かぐや→月→アルテ。

(2)石川弥栄
第16代目石川五右衛門。CV:加伊えりす
後輩。声の波形にただモノではない力を感じた。
ちなみに作中で13代目からは全員登場。

(3)本郷虹夢
ギャルで読者モデルな寂しがりやさん。CV:月野きいろ
メイク担当。活動では若干はぶられがちだけど…。

(4)有瀬あてな
Trueヒロイン。CV:小高志季
お姉ちゃん。声の波形はサガプラでよく出ているあの人。
かぐやと並ぶ作中の重要人物。
怪盗時の名前ミネルバはローマ神話の女神。 ギリシア神話の女神アテナと同一人物なので、おそらくここが由来だが
ひねりは全くない…。

2 システム
お気に入りボイスや立ち絵鑑賞などは搭載。
デフォではテキスト背景の透過が100なのでちょっとびっくりした。

3 音楽・演出
演出面での特殊さはさほどなし。
True、かぐやは他2名とエンディングの仕様などが違うくらいか。

4 シナリオ:全体感・構成など
前作のかけぬけを踏襲し、作中選択肢の分岐ではなくエピソード選択により各人の√の選択をする形式(エロシーンの分岐で選択肢は使用)。
プロローグの段階で主要キャラの立ち位置や全体の背景事情の説明、御影が怪盗になるまでの流れは行うので、テキスト量は多め。また、従来のサガプラは攻略ヒロインが多かったが、今回は攻略キャラをシェイプアップしてメイン3のTrue1キャラとし、テキストボリュームをそれぞれの√に振っている感じがする。実際、5~6キャラでこのボリュームをやられると読み切るのはかなり時間がかかるため、シナリオ構成としては正解だと思う。
ちなみに、プロローグにテキストをかなり割く、という構成は、最近ゲームだと同じ夏和小氏つながりでRE:D Cherish!がイメージに近い。

サガプラは前作もセンターヒロイン≠Trueヒロインの構成だったが、今回は両者の関係性が近しいものになっている。前作と同様、True以外はヒロインそれぞれと関係性を深め、Trueは主人公そのものに深堀するサガプラスタイルという感じではある。一方で、あてなとの関係そのものもTrueでは重要なものとなるので、グランドエンディングのためにヒロインそのものが蔑ろにされる感じはしない(とはいえ、エロシーン自体は少ないが…)。

どの√もエロシーンは比較的後半寄り。ヒロインとの交流と√テーマへのアプローチの進行具合が同じくらいで進むため、話としては読みやすい。また、日常シーンはシナリオに絡めた雑学的な話や、グレーゾーン金利の解説などの話の理解を助けるネタが展開されることが多い。

5 シナリオ:個別
(1)かぐや
テーマはアレクレピオス。他2√とは違い、この√ではビッグフィッシュを手に入れ、かぐやがあてなのためにアレクレピオスを起動することとなる。√序盤はかぐやがアンビシャスを求める理由を描き、√後半ですべてのアンビシャスの入手と、並行世界からのかぐやの帰還を描く。
アレクレピオスの使い方についてはTrueで解説があるが、「干渉したい時間軸への直接介入」により事故をなかったことにしたもの。
パラレルワールドからの帰還方法はTrueとは違い、並行世界で改めてアレクレピオスを起動することにより帰還することになる(その後、並行世界もそのまま進行しているビジョンがある)。
弥吉の悪事は投資詐欺。他と違って弥吉の悪事自体は√に深くかかわるものでもないため、出番は少なめ。
また、最後のアンビシャスであるビッグフィッシュは有瀬家保管であること(True√での動きにかかわる)など、Trueを読む上でのほかの知識もシナリオ中で描写される。
御影がハイパーキザ。

(2)弥栄
大きなテーマは弥栄の石川五右衛門の襲名について。
弥栄√と虹夢√の共通の特徴としては、下記の 点
a)シナリオの根幹にかかわらないヒロインそのものの過去の深堀などを描く。
→かぐや√もかぐやの過去そのものの深堀ではあると言えるが、ヒロイン同士の立ち位置と同様、Trueを担うあてなと深くかかわる以上は、弥栄や虹夢とは性質が違うものであろう。
b)True√を読む上での基礎的な背景や考え方のシナリオは描かれる
→全体を通してふわふわっと書かれるが、Trueで鮮明化するにあたっての土台を頭に入れるイメージ
c)アンビシャスの収集も途中で止まり、弥吉の悪事への対処がメインとなる。
→シナリオ上、アンビシャスの完成に意味がないため。

ちなみにこの√の弥吉の悪事はインフラテロ。√全体として現実感のある問題をテーマに扱っているので、読む人によっては若干もにょる√になりそうだなと思った。あと御影が一番キザじゃない√だと思う。

(3)虹夢
大きなテーマは数字による支配について。虹夢が数字による評価について気にしていることについて、御影も考えることによりシナリオが進行していく。弥吉の悪事は単に征丸を宝石から仮想通貨の投資に唆すだけ。これによりアンビシャスの収集が止まるが…、ってとこ。√全体として比較的平和ではある。

(4)あてな
作品におけるグランドエンディングを担当。他の√でチラチラと撒かれていた「アイヌの子守歌」の伏線が、この√ではメインテーマとなり、弥吉の悪事となる。
上記3√で御影とファントム(不破沙取)が何らかの関係者であることはわかるが、それが同一人物であること、それと同時にファントムはどこへ行ったのか、√冒頭の幌子の行動の意味などが明かされる。この謎がアレクレピオスの「干渉したい時間軸への直接介入」の描写によりすっと描かれるのは、効果的に魅せられているポイントであると思う。
また、記憶がパラレルワールドからの帰還がカギであることが、アレクレピオス起動前にあてなと結ばれたことの理由付けになっていて、シナリオ構成上も無理がないものとなっている。
(そして、かぐや√ではかぐやが半端にしか記憶を持っていないことから、正規の方法の帰還ではない方法での帰還となったことがわかる)
最後は弥吉との最後の対決とその出し抜き、そして金恋のキャラも出演するある意味でスターシステムな演出をした後にめでたくグランドフィナーレとなる。

6 考察:各キャラの年齢について
霊元が50の時に沙取と幌子が生まれる(作中言及)
その後、沙取と幌子が学園の生徒時代に、沙取が赤ん坊になり0歳になる。この時点で幌子を攻略可能な年齢18と仮定すると、どこから20年経過(作中言及)で、霊元は88歳となる。
露伴は20年前の段階で教育実習生。作中時点では推計40代前半となり、政令指定都市の市長としては若い部類となる。
(ただし、今は知事含め地方自治体の首長に若い人が就任する例もあるので、無理のある年齢設定ではないが)

ヒロイン陣であるが、20年前の段階で4~5歳のあてなは20代中盤。エロゲヒロインの推計年齢値としては以外に高い…(おっと誰か来たようだ
ちなみにかぐやもこの段階で「まもなく2人目」という描写があるので、まさに20になったか20になるかといった年齢ではないだろうか。

7 エロシーン
メインヒロインは各3枠。あてなは1枠で、各ヒロイン√にギャグ的なおまけで3Pシーンがある。
かぐや:制服初夜(御影の部屋)、アルテ、私服(かぐや邸)、あてな3P
弥栄:忍者、私服フェラ、制服緊縛、親子丼
虹夢:私服、制服、体操着、カリス3P
あてな:病室初夜

8 総合評価
個人的な感想になるが、シナリオのテンポも悪くなく、伏線の巻き方などもバランスが取れていたので、単純に読んでいて面白かった。
ヒロイン陣の記号的なかわいさ(サガプラ絵師とCV陣)とシナリオをうまく両立させているとは感じる。シナリオは、意味の薄いTRUE√ではなく、男性キャラまで含めてキャラ立ちをしっかりさせているので、しっかりと作られている印象を受けた。

一方で、ヒロイン陣とのイチャイチャ描写はちょっと少な目ではある。日常シーンの掛け合いなどはいいとして、恋愛面の描写は割と淡泊な印象を受けた。また、最近のエロゲにしてはエロシーンの「枠」が少ない(1枠で何回戦かしているので、実際のテキスト分量は少ないということはないと思うが)。

それでも、今年度の発売ゲームの中で薦められる中の1つには十分入る出来である。時間を割いた甲斐は十分に得られた。

以上

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