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逃亡者日記R

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2015.04.05 Sun エロゲーレビュー:花咲ワークスプリング!

0.作品データ
http://sagaplanets.product.co.jp/works/hanasaki/

不知火祈 CV:遥そら
玖音彩乃 CV:みとことみ
琴吹ヒカリ CV:遠野そよぎ
空森若葉 CV:沢澤砂羽
上月柑南 CV:海原エレナ
花咲ののか CV:塚本リタ

1.キャラについて
・不知火祈
ツンデレさん。個人的にプレイ前とプレイ後で評価が一番変わったキャラ。かなりかわいいと思った。

・玖音彩乃
ファーストインプレッションはトップだったけど、いまいちピンと来なかったキャラ。
多分あそこまで甘やかされるのが好きじゃないのと、実は全部知ってましたの万能キャラ感が微妙に好きじゃない…。ただのわがままキャラじゃねえか感が半端ない。

・琴吹ヒカリ
そよそよ後輩。祈と同じく、プレイ後で評価を上げたキャラ。ハンディキャップ少女にどうにも弱い。

・空森若葉
友人キャラとしてはすげえいいキャラだと思う。攻略ヒロインだと他の連中が強くて一歩劣る感じ。魅力は沢澤砂羽さんの力によるところも大きいと感じる。あの方以外に若葉の魅力を100%出せる声優さんがいるか、ってくらいにはマッチしてた。

・上月柑南
メイド。可もなく不可もなく、といったところ。

・花咲ののか
テンプレと声優で殴りつける暴力のようなキャラ。まあ発売前人気トップも頷けるし、変に捻くれなければ大体の人が推しキャラ上位にはなりそう。個人的に「ここまでお膳立てされたキャラに転んだら負け」って思いながらやっていても、「あ、やっぱかわいいわこれ」ってなったレベルのキャラ。

2.システム
ADV標準といった感じ。最近流行の立ち絵鑑賞を搭載。テキスト編集まで可能で、外部背景読み込みは不可。
とはいえ、外部背景まで取り込めるお遊び機能を持たせてるのは有名どころは現状サノバウイッチくらいなもんだと思うけど。

3.音楽・演出
特筆点はなし。

4.シナリオ
ヒカリ→若葉→祈→彩乃→ののか→柑南→トゥルーで攻略。ののか柑南解放条件がメイン4名攻略、トゥルー解放が6名攻略。
ヒロインは大別するとメインが「ヒカリ-若葉」と「祈-彩乃」に分かれ、サブ2人がAFTERで攻略。つまり3カテゴリに分かれる形となる。「ヒカリ-若葉」が飛鳥と関係ない組で、「祈-彩乃」が飛鳥と関係があるヒロインとなる。サブ2人は時間軸では1年後の攻略となる。
各√のボリュームは多くはないため、恋愛関係になってからセックスがそこそこに早い。

・ヒカリ
主人公にとってのヒカリの存在の変化、ヒカリのハンディキャップに対する葛藤が軸。
・若葉
お嬢様であること、主人公と若葉のお互いの関係が軸。

・祈
祈の生き方、それに影響を与えた飛鳥の克服が軸。
・彩乃
飛鳥の死というトラウマの克服。ある意味、主人公は同様のトラウマを抱えていることがトゥルーにて明かされる。ぬいぐるみを盗んだのは誰なのか、という話を一貫して通しつつ、伏線を拾いながら進めるため話としては一番おもしろい。

以下はAFTER。1年後、3年となった主人公を中心に話を描く。
・ののか
兄妹間恋愛が軸。義兄妹なので、割とあっさり気味に解決。AFTERで書く理由がなくはないが、どちらかというと付属の服でエッチしたかっただけなのではないか…。
・柑奈
柑奈の進路、若葉と主人公との三者間関係が軸。この話を書くなら確かにAFTERが1年後である必然性は出てくる。
・トゥルー
主人公が飛鳥に送ったキーホルダーを中心に、主人公の未練の解決を描く。とはいえ、メイン4名の√でトラウマを克服されている描写がある√がある以上、この√でトラウマの克服を描くことに意味があるのかは若干疑問符がある。あまりにも短い描写で誰とも結ばれずにトラウマ克服という形をとるので、きれいなBADみたいな感じがする。
シナリオのそのものというよりかは構成に若干練りこみが足りないのではないか。

5.エロシーン
メインが各4でサブが各2。
何故ののかを足コキにしたのか…。

6.総合評価
・前作:カルマルカサークルとの比較
前作であるカルマルカに比べると個々のシナリオとしてはよくなっているように思えるが、トゥルーのまとめ方が正直あまりよくないため、読後の爽快感はカルマルカに劣る感じがする。
トゥルーはもう少し腰を落ち着けてどっしり伏線を回収して欲しいと思う。また、形式としてはキサラギ形式の特定のヒロインに依らない主人公トゥルーという感じだが、角が立たない代わりに話として微妙にまとまりがつかない可能性もあるため、個人的にはカルマルカのようなメイン一強の形でもいいと思う次第。

・単独評価
シナリオのアベレージヒットは悪くなく、個々のシナリオに関して大外れはない。この点は√について極端な好みが分かれたサノバウィッチとの違いであると思う。ある意味ではすごく癖のないシナリオが出来ている。
ただ四季シリーズを担当した新島氏がすごく癖のある、読み応えのあるシナリオを書いたことを考えると正直もっと尖らせてもいいかな、とは思う。
茉宮祈芹氏をメイン原画に新たに据え、より強力な原画布陣で作品を作れるのはこのブランドの強みなので、シナリオ面で"復権"を狙って欲しいところ。